支持体

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支持体(しじたい、Support[1])とは、絵画の塗膜を支えるを構成する物質である。本来は塗装用語であり、これは絵画が塗装の特殊な一形態であることを物語っている[2]。地塗りを施す場合もあれば、地塗りを施さない場合もある[3]基底材とも言う[4]

概要

支持体は絵を支える物体であり、絵画との関係の中でこれまで様々なものが試されてきた。古くは石や地面が支持体となり、絵画の概念や技術が進歩するに従い、木、紙、布など様々なもので試されるようになった。

代表的な支持体

支持体は金属板とガラス板などを除いて、すべて多孔質の物体である。布や紙、木などは繊維質でその間に絵具がしみ込む。

要求される性能

支持体に求められる性能は絵具の食いつきが良いこと、優れた発色をすることである。更に支持体の上で伸びが良い、つまり描きやすければなお良い。それ自体の耐久性も必要とされる。絵画が基本的に保存されることを望まれるものである限り、これは変わらない。このような特性を成立させるため、多くの場合支持体に直接描画するのではなく、必要な処理が施される。地塗りは支持体が多くの場合多孔質であり、組織の間に絵具が入り込み、耐久性が損なわれるのを防ぐ目的と、下地塗り自体が組織の間に入り込み、支持体と絵具の仲立ちをすることによって堅牢な画面を作る目的、さらに表面の凹凸を整え、画肌・テクスチャーを求め易くする目的がある。極端に平滑な画面には絵具が定着し難く、剥離などの問題を起こすため避けられる。

処理の方法

方法は絵画の技法によってそれぞれ大きく異なるが、一般的な例を挙げる。

フレスコ

フレスコでは支持体の漆喰によって顔料が画面の上に定着する。これはいわば支持体を固着材としてしまう方法である。この場合はレンガ壁のようなしっかりとした支持体に、荒い漆喰から目の細かい漆喰へと乾かないうちに塗り重ね、さらに乾かないうちに絵を制作してしまうことによって、漆喰の乾燥とともに顔料を定着させ、強固な画面を作り出す。フレスコ画は非常な長期間の保存にも耐える。

水彩

多くの場合紙を用いる。またあらかじめ紙の上にドウサ水(明礬と水を混ぜ合わせた水溶液)やカゼインの薄い膜をはって目止め(ドウサ引き)すれば、滲みを抑えることが出来る。

紙は一方の面が水に濡れるとその面の繊維が乾燥時に収縮し、反り返る性質がある。製作中にそういったことが起こらないように木のパネルにわざと濡らした紙を水張りテープで張り、乾燥させて濡れた状態と乾燥した状態でゆがみが起きることを防ぐ水張りという処置もある。

油彩

多くの場合、布によるキャンバスや木の板で作られたパネルを用いる。油を媒材としているため、油中の遊離脂肪酸が空気中の成分と反応し、支持体に処置をしないと状態によってはひと月ほどで塗膜が崩れることもある。多くはで支持体と下地の間に層を作り、さらに下地を施し堅牢な塗膜を作り出す。堅牢な塗膜を作り出す為に、画面の表面から内側に向かって成分が浸透するように下地や塗り重ねる油絵の成分を調整することもある。

関連項目

出典

  1. 『絵画材料事典』ラザフォード・J・ゲッテンス・ジョージ・L・スタウト著 森田恒之訳 美術出版社 1999.6 ISBN 4254252439
  2. 『カラー版 絵画表現のしくみ―技法と画材の小百科』森田 恒之監修 森田 恒之ほか執筆 美術出版社 2000.3 ISBN 4568300533
  3. 『絵画技術体系』 マックス・デルナー 著 ハンス・ゲルト・ミュラー 著(改訂) 佐藤一郎 訳 美術出版社 1980/10 ASIN: B000J840KE
  4. 『絵具の科学』 ホルベイン工業技術部編 中央公論美術出版社 1994.5(新装普及版) ISBN 480550286x

参考文献

  • 『絵画技術体系』 マックス・デルナー 著 ハンス・ゲルト・ミュラー 著(改訂) 佐藤一郎 訳 美術出版社 1980/10 ASIN: B000J840KE
  • 『絵具の科学』 ホルベイン工業技術部編 中央公論美術出版社 1994.5(新装普及版) ISBN 480550286x
  • 『絵画材料事典』ラザフォード・J・ゲッテンス・ジョージ・L・スタウト著 森田恒之訳 美術出版社 1999.6 ISBN 4254252439
  • 『カラー版 絵画表現のしくみ―技法と画材の小百科』森田 恒之監修 森田 恒之ほか執筆 美術出版社 2000.3 ISBN 4568300533